お題法話in須磨寺ふたたび開催報告

コロナも落ち着いたので、昨年より座席の間隔も狭まっています。徐々に元の生活が戻ってきたことが実感できます。

昨年はまだコロナ禍でしたが、

注意深く準備し、お題法話を開催いたしました。
そして今年、2023年5月14日(日)の午後に、仏教井戸端トークの鉄板企画「「お題法話」in須磨寺 ふたたび」を須磨寺さんのご厚意で開催しました。

昨年は須磨寺の小池さんから、お題法話を須磨寺でやれないかという提案が真冬にされ、そこから半年近く時間をかけて本番にこぎつけましたが、昨年の経験で慣れたからなのか、はたまたやっつけだったのかはわかりませんが(^^;、今回はその半分くらいの期間で開催しました。

そもそもこの企画の始めたきっかけと意義などをまとめておきます。

そもそも、この企画のきっかけは仏教に限らず仕事などでも「いわゆる業界用語を部外者に話しても何も伝わらないよね。」ということがきっかけで、また、「事前に練った言葉は美しいし素晴らしいけど、人の悩みは千差万別、練った言葉では相手に響かないときもあるから、応病与薬、その場の瞬発力もいるよね。」という考えも加わって始めたものです。

また、これは会場で説明したことですが、お坊さんの法話は落語のルーツでもあります。その落語には「三題噺」という客からその場でもらったお題で即興で落とし噺をする企画があります。そこで、法話でも客席からお題をもらって、「事前に準備ができない」環境を作り、さらに「仏教用語を禁じる」というマゾルールを設けて「わかりやすく伝える」を心がけてもらおうと考えました。これがお坊さんにとっては「いい研鑽の場になると思う(あの増田)」ということで鉄板企画の一つになっていきました。

ただし、仏教語を禁じると、代名詞や独特な喩えなどが増える傾向にあり、そえがかえってわかりにくくなるときもあるため、最後に用語チェック係が仏教語解説したり、「本来普段ならこういうことを言いたかったんですよね」と本来の表現も解説し、ただのお遊びで終わらないように心がけています。

一方でこれだけの厳しい環境を作ると、話す側も聞く側も集中力が続くことと、その場にいる者だけが理解できる単語が現れるなど、楽しい空間ができあがります。

そして、いかがだったでしょうか?お坊さんを困らせてみようと意地悪なお題を出したとしても、割と上手に使ってしまうお坊さんたちの凄さを実感されたのではないかと思います。

当日はこんな感じでした

5月14日のイベント概要は こちらを御覧ください。(概要に飛びます)

当日の第一セッションは

  • 巡礼
  • H1グランプリ
  • 歌舞伎
  • 二刀流
  • 世界平和(ちなみに「世界」は元仏教語です)

第二セッションは

  • 絵本
  • お天道様
  • 母の日
  • 勉強
  • ChatGPT

でした。
また、当日法話で使われてしまった仏教語は以下のような物がありました(中にはジャッジ係の裁量で敢えて指摘しなかったものもあります)

億劫、人間、自然、大丈夫、非道い、不思議、学生、大事、内証(日常語では転じて内緒)、単位などなど

当日の模様は小池さんのYouTubeチャンネルで少し触れる予定ですので、そちらをお楽しみにしてください。
参考:須磨寺小池陽人の随想録(タイトルクリックでYouTubeに飛びます)

今回は小池さんのパワー人脈が勢ぞろいといった感じのH1のグランプリ受賞者が揃いました。普通に話しても面白いのですが、慌てふためく姿などが新鮮でした。

普段どおりのように見えますが、頭の中は「言葉探し」でいっぱいいっぱいの小池さん。
聴者に指摘する間を与えない勢いのある話術で楽しい法話を聞かせてくれた安達さん。
2回目は要領を得られ、安定感のあった関本さんでしたが、日常の隠れた元仏教語には苦戦

用語を中心にチェックした池口さんと、法話のストーリーをなぞり、普段ならどう話しているかという解説に徹してくれた小林さんということで、審査側の役割分担も出来ていてとても良かったと思います。ここで「へぇ~」や、合掌されて聞き入る方などもおり、笑い、学びだけでなく、法話としての役割があることも改めて分かる会でした。

イベントの最後に小池さんから、また来年もと言っていただきましたので、もう恒例化させます。みなさま本当にお疲れさまでした。

(左より)関本さん、安達さん、小池さん、池口さん、小林さん、あの増田


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