【テラ未来予想図Ⅲ】第一回「巍山さんへ」

shinsai fukkou

myonin 松村妙仁

はじめてお便り差し上げます。
主宰の増田さんより、震災から10年を過ぎた今、福島に関わるお二人に今回ぜひお願いしたい。とご連絡をいただきました。困りました。さて、どういたしましょう・・・?(苦笑)

福島に生まれ、現在福島で暮らす私ですが、震災時には東京で会社員をしており、地元福島に帰ることや仏門に入ることなど一切考えておりませんでした。ですので、震災について、福島の今、これからを語っていただきたい。という言葉は非常に悩みます。わからない、ずっと考えています。ということしか言えないのが本音です。そして、その問いをずっと考えること、考えてゆくことが福島の今、私の今なのかもしれません。迷い考える毎日ですが、巍山さんのお話を聞かせていただき、また改めて想いを重ねてゆければと思っております。今回、お話できますことを楽しみにしておりました。世界でご活躍されている巍山さんとお話させていただくのは大変恐縮ですが、有難いご縁です。どうぞよろしくお願いいたします。

私は地元に戻って6年が過ぎたところです。高校まで福島で暮らし、大学進学で上京。そのまま都内で就職しました。前職はコンサートの企画運営する会社に務めておりました。好きな音楽の仕事に就き、都会暮らしを満喫していた中、父の死や東日本大震災などさまざまなタイミングが重なり地元に戻ってきました。その中でも東日本大震災は大きなきっかけです。故郷福島が変わっていく姿を見ながら、あの時福島にいなかった、なにもできなかった、ということは今の大きな原動力にもなっています。今の活動の根っこです。

僧侶の道に進んだのも、震災時に海岸沿いで祈る宗教者の姿に心を揺さぶられたというのもあります。理屈ではない、なにか大きな存在に導かれたような感覚もあります。幼い頃から生まれ育ったお寺に関わることだけは真っ先に避けてきたのですが、今ではこのご縁も必然だったようにさえ思えます。震災時には考えられない今を送っております。人生とは不思議なものですね。

先日、巍山さんが奉納された阿弥陀さまのお参りに、いわき市平の廿三夜尊堂へ伺いました。心も身体も吸い込まれるような聡明さ、温かさ、優しさ、大いなる力を宿した阿弥陀さまですね。巍山さんの想いが形として現れた仏さまなのだろうと感じました。これまでの想い、今の想い、これからへの想いと、言葉では表せないような深い想いが、阿弥陀さまとしてお出ましいただいたように感じました。なんでも聞いてくださる、受け止めてくださるような阿弥陀さまですね。

巍山さんは福島と関わるきっかけ、仏師としての道をすすまれたきっかけはどのような想いからだったのでしょうか?今の活動の根っこになる想いをよろしければお聞かせください。

寒さ厳しい毎日ですが、どうぞご自愛ください。お返事楽しみにお待ちしております。
松村妙仁拝



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